8月, 2013

フォルクスワーゲンUP

フォルクスワーゲンが久々に、ポロよりも小さい
モデルを用意する。しかも価格は149万円からと
聞いて、思わず身を乗り出してしまった。その出来
映え次第では、日本のコンパクトカーの立場は危う
いぞと直感的に思ったわけだが、果たして恐れてい
たことが起きてしまった。このクルマ、upl・(ア
ップ?・)の完成度は凄まじいほどの高い次元にある。
口本車にとっては、まさに黒船が来たと言ってもい
いほどの衝撃をもたらす1台である。
見た目はとてもプレーンだ。しかしボディの四隅
ぎりぎりにタイヤを配したプロポーションは力強く、
軽薄さは無い。大きなVWマークを中央に据えたマ
スクはファニーフェイスだし、スマートフォンがモ
チーフだというリアビューも遊び心を感じさせるが、
7 どもっぽさとは無縁だ。
室内は想像以トに広く、特に後席は、足元の余裕

フォルクスワーゲンが久々に、ポロよりも小さいモデルを用意する。しかも価格は149万円からと聞いて、思わず身を乗り出してしまった。その出来映え次第では、日本のコンパクトカーの立場は危ういぞと直感的に思ったわけだが、果たして恐れていたことが起きてしまった。このクルマ、up(アップ)の完成度は凄まじいほどの高い次元にある。日本車にとっては、まさに黒船が来たと言ってもいいほどの衝撃をもたらす1台である。
見た目はとてもプレーンだ。しかしボディの四隅ぎりぎりにタイヤを配したプロポーションは力強く、軽薄さは無い。大きなVWマークを中央に据えたマスクはファニーフェイスだし、スマートフォンがモチーフだというリアビューも遊び心を感じさせるが、子供っぽさとは無縁だ。
室内は想像以上に広く、特に後席は、足元の余裕など水口以上ではないかとすら感じさせる。乗車定員は4名だが、5名乗車の機会が無いのなら、むしろポロより快適に過ごせるに違いない。ゴルフやポロの縮小版を期待していると、上質感はさほどとは思えないかもしれないが、つくり込みはしっかりしていて、やはり安っぽさは皆無。シンプルさが心地良いデザインはカーナビを付けるのを躊躇ってしまいそうなほどだ。コストはケチる一方で妙に背伸びをして却って安っぽくなっている日本車とは、内外装とも考え方が180度違うという印象だが、実はそれは走りについても言えること。一番の驚きは、ここにある。ボディがカチッとしているヒにサスペンションがしなやかにストロークするおかけで、乗り味はとても上質。単にソフトなわけではなく、4輪をしかと路面に接地させつつ姿勢はフラットに保たれ、速度を上げてもビシッと落ち着いていて、疲れ知らずで高速巡航できてしまう。それでいて、曲がろうとすれば小気味良いほど軽快なのだ。今までコンパクトカーで強いられていたガマンはI体何だったのかと思ってしまう、次元の違うシャシー性能である。排気量Iがのエンジンの最高出力は75馬力でしかない。けれど吹け上がりは3気筒とは思えないぐらいスムーズで、安っぼい振動は皆無。絶対的な力は限られているが、それほど回さなくてもトルクが出るので、遮二無二アクセルを踏み込む必要も無い。ただし、MTを自動化したASGと呼ばれるギアボックスはやはり弱点と言わざるを得ない。変速は一般的なATのようにスムーズではなく、特にシフトアップの時などはアクセル操作が荒いとギクシャクしがちになる。しかし慣れれば、なまくらなCVTなどよりよほど思い通りに動かせるので、私としてはそこまでダメだとは思っていないのだが。ともあれトータルで見た走りは素晴らしいの一言に尽きる。しかも4つのエアバッグや横滑り防止装置のESPなど安全装備は標準、更には低連城でセンサーが障害物を検知すると急ブレーキをかける自動ブレーキ機能まで全軍に標準で備わるのだ。このup、日本のコンパクトカーとはお金をかける部分と抑える部分が完全に入れ替わっているかのようにすら見える。見映えは簡素だが、実ぽっくり込みはしっかりしている。スペックは地味だが走らせれば地力は凄まじくハイレベルなのだ。つまりupは、ちゃんと。クルマタなのである。A地点からB地点までの単なる移動の道具ではなく、その時間を豊かなものにしてくれるという意味で。たとえば同じ手紙を書くのでも、安物のボールペンより、書き味滑らかな万年筆を使った方がいいに決まっている。きっと弾む気持ちが、自然と文章に反映されることだろう。道具とされるクルマだって、無味乾燥でいいわけではない。コンパクトに限らず日本車の多くが忘れてしまっていることだ。日本車が得意としてきたつもりのこのセグメントでも、輸入車に攻め落とされかねない時代が来た。しかも「輸入車は高いから」なんて言い訳、もはや通用しないのだ。upは日本のクルマ事情を大きく変革させる、まさに黒船となりそうである。

レクサスRX

ちょっと弱いよなあと思っていたRXの顔つき、GSに続いてスピンドルグリルを採用することで、キリッと引き締まって精悍になった。しかも変化は見た目だけじゃなく、走りからも従来の線の細さが払拭されている。実はマイナーチェンジでボディ補強など走りの磨き上げも行なわれているのだ。乗り心地はしっとり感を増し、且つフットワークもキレ味を向上。ノーマルもいいが、新設定のFスポーツなんて、走りの楽しさに思わず歓声をあげてしまうほどの出来映えとなっている。快適性も群を抜くもので、よくぞここまで熟成させたと唸らされた。一方、直列4気筒エンジンを積むRX270の身軽な感じも捨て難い。価格を考えれば案外コレ、ベストチョイスかもしれない。見た目も走りも重厚さとスポーティさが際立たせられた新しいRX。まさに買い時が来だのでは?

国産じゃない「国産ブランド車」がアタリマエになる?

日本の自動車メーカーは、いつからか足元の日本よりも世界のマーケットに向いたクルマづくりを
してきたと書いたが、その傾向は最近ますます加速していて、ついには、日本でクルマをつくること
すらしなくなってきた。そう、生産設備の海外移転がますます進行しているのだ。
たとえば2011年のトヨタグループの国内生産は乗用車と商用車合わせて約348万台。グロー
バルでの生産台数は約786万台だったから、すでに半分以上が海外生産となっている。ちなみに同
時期の国内販売は合計約178万台だから、残りの170万台が輸出されていることになる。
しかし今後、この国内生産台数が更に減少していくことは避けられない。トヨタは国内生産300
万台体制の維持を掲げている。国内と海外、半分ずつの販売を見込んでのことだが、それはつまり現
状よりも海外生産の割合が増えることを意味する。
それもやむを得まい。この円高である。日本で生産して輸出していては儲けが出ない。しかも日本
政府はアメリカに遠慮して、その円高もほぼ放置したままだ。これは自動車メーカーにとっては、出
ていっていただいて結構ですと言われているような気分に違いない。
~経済合理性で考えれば、日本でクルマを作らない選択もあり得る
出て行く先は、これから販売が伸びる地域、すなわち新興国となる。すでに各メーカーとも生産拠

日本の自動車メーカーは、いつからか足元の日本よりも世界のマーケットに向いたクルマづくりをしてきたと書いたが、その傾向は最近ますます加速していて、ついには、日本でクルマをつくることすらしなくなってきた。そう、生産設備の海外移転がますます進行しているのだ。たとえば2011年のトヨタグループの国内生産は乗用車と商用車合わせて約348万台。グローバルでの生産台数は約786万台だったから、すでに半分以上が海外生産となっている。ちなみに同時期の国内販売は合計約178万台だから、残りの170万台が輸出されていることになる。しかし今後、この国内生産台数が更に減少していくことは避けられない。トヨタは国内生産300万台体制の維持を掲げている。国内と海外、半分ずつの販売を見込んでのことだが、それはつまり現状よりも海外生産の割合が増えることを意味する。それもやむを得まい。この円高である。日本で生産して輸出していては儲けが出ない。しかも日本政府はアメリカに遠慮して、その円高もほぼ放置したままだ。これは自動車メーカーにとっては、出ていっていただいて結構ですと言われているような気分に違いない。

経済合理性で考えれば、日本でクルマを作らない選択もあり得る
出て行く先は、これから販売が伸びる地域、すなわち新興国となる。すでに各メーカーとも生産拠点を世界中の国と地域に拡人中だ。ブラジルではトヨタの工場が規模を拡大しており、日産やホンダも進出の動きを見せている。メキシコも南北アメリカで販売するクルマの生産拠点として、熱い視線が注がれている地域だ。また、ロシアヘの進出も盛んになってきた。アジア地域は言わずもがな。今後はインドが圧倒的な伸びを見せるはずであり、すでに各社こぞって参入している状況である。こうして世界に生産拠点が進出していく一方で、需要の伸びを期待できない先進国向けの生産量は調整されていくだろう。その流れが更に進めば、日産マーチや三菱ミラージュのように、日本市場に於いても基幹となるモデルすら日本で作らないということになるかもしれない。日本のメーカーが日本で販売するクルマを、新興国で生産する。それこそ家電などでは普通に起きていることだ。極端な話、もう日本ではクルマをつくらないという選択肢だって、無いとは言えないのではないか。そんな危惧さえリアルに抱けるのが今という時代である。

国内工場は新しい役割で存在価値を発揮しなければならない
いや、しかし日本の自動車生産の役割が終わったわけではない。たとえば、1961年に日本初の本格的自動車工場として操業を始め、かつてマーチなどを生産していた神奈川県横須賀市の日産自動車追浜工場では、現在は主に電気自動車のりIフが組み立てられている。ここは今後、世界中で生産されるリ-フをはじめとするEVのマザー工場として、それら拠点のスムーズな立ち上げに貢献することが期待されているのだ。要するにトラブルを洗い出し、最新の工法を生み出し、工員を育て、ラインを改善し…ということを先駆けて行なうのである、日本入のきめ細やかさを活かして。ホンダが2013年7月の操業開始に向けて建設中の埼玉県寄居工場も、同じような役割を担う。すでにホンダは埼玉県に狭山工場を持っているが、寄居工場は物流の効率化を図り、COz発生量を低減できる生産技術を確立して、それらを世界中の工場に水平展開していくための拠点として設定されているのだ。同じモデルを狭山で生産した場合に較べて、エネルギー消費を3割近く減らせるという、最先端の環境対応型工場が生まれるのである。

メイドーインージャパンの圧倒的クオリティを生かすクルマを作れ
そもそも日本の自動車会社の生産技術は、それ自体が十分誇るに値するものだ。象徴的なのがレクサスだ。現在、レクサス車はごく一部を除いて愛知県の田原、福岡県の宮田という国内の専用工場にて生産されている。ここではエンジンの組み付けは塵や埃の無いクリーンルームで行なわれる。ボディパネルの合わせの精度はすべてレーザーでチェックされ、塗装工程では匠と呼ばれるスタッフが手作業での水研ぎを行なっている。年産数土力台規模で、こんな凝ったことをしている工場は他にはないはず。これはそう簡単に海外移転できるものではないし、ましてや真似できるものではない。以前にレクサスCT200hのチーフェンジニア氏に面白い話を聞いた。例の問題が起きる前の話ではあるが、中国市場でCTが予想をはるかに上回る売れ行きを見せているというのだ。それを聞き、ならば現地生産を考えればと聞くと、意外なことにむしろ中国のレクサスの首脳陣、そしてユーザー達が「これからも現地生産はせず、日本でっくり続けてほしい」と七dうのだという。メイドーインージャパンの圧倒的なクオリティは、彼の地ですら、斯様に浸透しているのだ。日本の自動車メーカーは、もっとここに居ることに誇りをもってほしい。日本のクルマづくりには世界に誇れるものが沢山ある。それを活用することなく、未来を暗いと見るのは間違いである。

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